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「金利が上がっても、家賃も上がるので大丈夫です」。
変動金利でワンルーム投資を勧められ、金利上昇が心配だと伝えると、このように説明されることがあります。
しかし、ワンルームの家賃は金利に合わせて上がるとは限らず、ローンの返済額だけが増えれば、毎月の持ち出し(手出し)はそのまま大きくなります。
この記事では、金利が0.5%・1%・2%上がったときに、持ち出しが月いくら・35年でいくら増えるかを試算し、買う前に確かめることをまとめます。
この記事の結論
- 2,500万円・金利1.8%・35年のローンで、6年目から金利が1%上がると、返済額は月約11,400円増え、6〜10年目の持ち出しは月約18,900円から約30,300円になりました(現実寄りの試算)。
- 35年の持ち出しは、金利+0.5%で約202万円、+1%で約411万円、+2%で約854万円増えます。
- 「5年ルール」「125%ルール」は、返済額の増え方をゆるやかにする仕組みで、払う利息が減るわけではありません。採用の有無も金融機関や商品で違います。
- 金利が1〜2%上がると家計が苦しくなる、金利の見直しのルールを契約書で確かめていない、のどちらかに当てはまるなら買わない判断が合理的です。
金利上昇でワンルーム投資の持ち出しはいくら増える?月額と35年の総額
| 6年目からの金利 | 月々の返済額 | 6〜10年目の持ち出し(月平均) | 35年の持ち出し |
|---|---|---|---|
| 1.8%(上がらない) | 80,273円 | 約18,900円 | 約1,114万円 |
| 2.3%(+0.5%) | 85,875円 | 約24,500円 | 約1,316万円 |
| 2.8%(+1%) | 91,698円 | 約30,300円 | 約1,526万円 |
| 3.8%(+2%) | 103,986円 | 約42,600円 | 約1,968万円 |
金利上昇の影響は、ワンルーム投資の持ち出しにほぼそのまま上乗せされます。
ローンの返済額が増えても、家賃や費用は変わらないため、増えた返済額の分だけ毎月の手出しが大きくなるからです。
金利上昇後の月々の持ち出しは、1%で約1.1万円増える
| 金利の上がり幅 | 返済額の増加(月) | 年間の増加 |
|---|---|---|
| +0.5% | 約5,600円 | 約6.7万円 |
| +1% | 約11,400円 | 約13.7万円 |
| +2% | 約23,700円 | 約28.5万円 |
この記事の試算では、2,500万円を金利1.8%・35年で借り、6年目に金利が上がったと仮定しています。
5年たった時点のローン残高は約2,232万円で、残り30年でこれを返すことになります。
このとき金利が1%上がると、毎月の返済額は80,273円から91,698円になり、月約11,400円、年約13.7万円の負担増です。
もともと月約18,900円だった6〜10年目の持ち出しは、月約30,300円に増えます。
金利が2%上がると、返済額は月約23,700円増え、持ち出しは月約42,600円になります。
借入額が大きいほど、また残りの返済期間が長いほど、同じ金利上昇でも返済額の増え方は大きくなります。
提案書の「月々◯円の持ち出し」は、金利が今のまま35年続く前提で計算されていることが多いので、金利が上がった場合の数字も必ず出してもらいましょう。
ポイント
- 金利が1%上がると、返済額は月約1.1万円増える(試算)。
- 増えた返済額は、ほぼそのまま持ち出しに上乗せされる。
- 提案書の持ち出しは、金利が変わらない前提のことが多い。
金利上昇が続くと、35年の持ち出しは数百万円増える
| 6年目からの金利 | 35年の持ち出し | 上がらない場合との差 |
|---|---|---|
| +0.5% | 約1,316万円 | 約+202万円 |
| +1% | 約1,526万円 | 約+411万円 |
| +2% | 約1,968万円 | 約+854万円 |
金利の上昇がその後も続くと、増えた返済額を残りの30年間払い続けることになります。
この記事の試算では、6年目から金利が1%上がったままだと、35年の持ち出しは約1,114万円から約1,526万円になり、約411万円増えました。
金利が2%上がったままなら、35年の持ち出しは約1,968万円で、上がらない場合より約854万円多くなります。
「家賃も上がるので大丈夫」という説明もありますが、ワンルームの家賃は、金利ではなく、その地域で部屋を借りたい人の数や、周りの物件の家賃で決まります。
築年数がたつほど家賃は下がりやすく、金利が上がった時期に家賃も上がるとは限りません。
金利上昇のリスクは、家賃の上昇に期待するのではなく、持ち出しが増えても払えるかどうかで判断しましょう。
持ち出しの総額の考え方は、月1万円・35年の持ち出しを検証した記事で詳しく解説しています。
ポイント
- 金利が1%上がったままなら、35年の持ち出しは約411万円増える。
- ワンルームの家賃は、金利に合わせて上がるとは限らない。
- 家賃の上昇に期待せず、持ち出しが増えても払えるかで判断する。
変動金利の5年ルール・125%ルールと、ワンルーム投資の持ち出しの金利上昇リスク
| ルール | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 5年ルール | 金利が見直されても、返済額は5年ごとにしか変えない | 返済額の中の利息の割合は、金利に合わせて増える |
| 125%ルール | 5年ごとの見直しで、新しい返済額を前回の1.25倍までに抑える | 抑えた分の利息や元金は、なくならない |
変動金利のローンには、金利が上がっても返済額が急に増えないようにする「5年ルール」「125%ルール」が付いているものがあります。
ただし、このルールを採用しているかどうかは、金融機関やローン商品によって違います。
5年ルール・125%ルールがあるかは、ローンの契約書で確かめる
| 項目 | ルールがある場合 | ルールがない場合 |
|---|---|---|
| 返済額が変わる時期 | 5年ごと | 金利の見直しのたび(半年ごとなど) |
| 返済額の増え方 | 前回の1.25倍まで | 上限なし |
| 持ち出しの増え方 | ゆるやかだが、後で負担が残る場合がある | すぐに増えるが、利息を後に残しにくい |
5年ルールは、半年ごとなどに金利が見直されても、毎月の返済額は5年ごとにしか変えないという仕組みです。
125%ルールは、5年ごとに返済額を見直すとき、新しい返済額を前回の1.25倍までに抑える仕組みです。
どちらも、変動金利で元利均等返済のローンに付いていることが多い仕組みですが、すべての金融機関・ローン商品にあるわけではありません。
住宅ローンでも、採用していない金融機関があることが知られています。
投資用のローンは住宅ローンとは別の商品なので、住宅ローンの説明をそのまま当てはめることはできません。
自分が借りるローンにこのルールがあるかどうかは、ローンの商品説明書や金銭消費貸借契約書で確かめるか、金融機関に直接質問しましょう。
販売会社の説明だけで判断せず、書面で確かめることが大切です。
ポイント
- 5年ルール・125%ルールの有無は、金融機関・商品によって違う。
- 投資用ローンに、住宅ローンの説明をそのまま当てはめない。
- 商品説明書や契約書、金融機関への質問で確かめる。
5年ルールがあっても、金利上昇の負担は消えない
| 6年目からの金利 | 最初の月の利息 | 元金の返済に回る額 |
|---|---|---|
| 1.8%(上がらない) | 約33,500円 | 約46,800円 |
| 3.8%(+2%) | 約70,700円 | 約9,600円 |
| 4.5%(+2.7%) | 約83,700円 | 返済額を約3,400円上回る(未払利息) |
5年ルールがあると、金利が上がっても5年間は返済額が変わらないので、毎月の持ち出しもすぐには増えません。
ただし、返済額の中身は変わります。
金利が上がると利息の割合が増え、元金の返済に回るお金が減るため、ローンの残高が思ったように減らなくなります。
さらに金利が大きく上がり、利息が返済額を上回ると、払いきれない利息(未払利息)が出ることがあります。
125%ルールで5年後の返済額の増加を抑えても、抑えた分の利息や元金がなくなるわけではなく、後の返済や最終回の返済で精算するのが一般的です。
つまり、このルールは負担を先送りする仕組みで、金利上昇による負担を減らすものではありません。
途中で売る場合も、残高が減っていなければ、売値でローンを返しきれない可能性が高くなります。
売るときの差額の考え方は、5年後・10年後に売れば利益という説明を検証した記事で解説しています。
ポイント
- 5年ルールでも、金利が上がれば元金の減り方が遅くなる。
- 利息が返済額を上回ると、未払利息が出ることがある。
- 125%ルールは負担の先送りで、負担を減らすものではない。
金利が上がった場合の持ち出しを、別の会社にも計算してもらいたい人へ
手元の提案書をもとに、販売会社とは別の会社の無料オンライン面談で、金利上昇の影響を含めた収支を計算し直してもらう方法もあります。
金利上昇に備えて、ワンルーム投資の持ち出しを買う前に確かめる手順
| 順番 | 確かめること |
|---|---|
| 1 | 金利が0.5%・1%・2%上がったときの持ち出し |
| 2 | 持ち出しが増えても払える上限(家計で決める) |
| 3 | 金利の種類、見直しの時期、5年ルール・125%ルールの有無 |
金利が何%上がったら払えなくなるかを、計算表で確かめる
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 毎月の黒字(手取り−生活費) | 5万円 |
| ほかの貯蓄・積み立てに残したい額 | 2万円 |
| 持ち出しに使える上限 | 3万円 |
| この記事の試算で上限を超える金利 | +1%(6〜10年目で月約30,300円) |
金利上昇に備えるには、まず「持ち出しがいくらまでなら払えるか」を、自分の家計から決めておくことが大切です。
上の表の例のように、毎月の黒字から、ほかの貯蓄や積み立てに残したい額を引いた金額が、持ち出しに使える上限の目安になります。
次に、下の計算表の金利の欄に、今の金利に0.5%・1%・2%を足した数字を入れて、持ち出しがその上限を超えないかを確かめます。
計算表の「厳しめ」の前提は、6年目から金利が1%上がった場合の数字です。
この例では、金利が1%上がった時点で、持ち出しが上限の3万円を超えてしまいます。
上限を超える金利の上がり幅が小さいほど、金利上昇に弱い計画だと考えてください。
家族がいる場合は、教育費や住宅費が増える時期も考えて、上限に余裕を持たせておきましょう。
提案書の数字を入れて、持ち出しの総額を計算する
※ 3つの前提で比べます。
「提案書の前提」=家賃・管理費・修繕積立金が一定、空室・設備交換なし(固定資産税は含む)。
「現実寄り」=家賃が毎年0.5%下落、修繕積立金が5年ごとに段階的に上がり16年目に国土交通省ガイドラインの平均目安(335円/㎡・月)に到達、4年に1回1か月の空室と原状回復・募集費15万円、12年目と24年目に設備交換25万円。
「厳しめ」=現実寄り+家賃が毎年1%下落、6年目から金利が1%上昇。
所得税・住民税の増減は含みません。実際の収支は物件・契約・金融機関の条件で変わります。
ポイント
- 持ち出しに使える上限を、家計から先に決める。
- 金利に0.5%・1%・2%を足して、上限を超えないか確かめる。
- 小さな上昇で上限を超えるなら、金利上昇に弱い計画。
金利の種類と見直しのルールを、契約前に書面で確かめる
| 金利(35年間一定と仮定) | 月々の返済額 | 35年の持ち出し(現実寄り) |
|---|---|---|
| 1.8% | 80,273円 | 約1,114万円 |
| 2.5% | 89,374円 | 約1,497万円 |
| 3.0% | 96,213円 | 約1,784万円 |
金利の種類には、返済中に金利が変わる変動金利と、一定期間または全期間の金利が決まっている固定金利があります。
固定金利は、一般に変動金利より最初の金利が高めですが、決まった期間は金利上昇の影響を受けません。
上の表は、最初から高めの金利で35年間借りた場合の試算です。
金利2.5%なら35年の持ち出しは約1,497万円、3.0%なら約1,784万円で、最初から持ち出しが大きくなります。
投資用のローンでは、選べる金利の種類が金融機関によって限られる場合もあるため、提案されたローンの条件を確かめましょう。
契約前には、金利の種類、金利の見直しの時期、基準になる金利、5年ルール・125%ルールの有無を、商品説明書や契約書の案で確かめます。
「融資が通ったから大丈夫」と考えず、借りる条件まで確かめることが大切です。詳しくは融資が通ることと持ち出しの関係を解説した記事を参考にしてください。
ポイント
- 最初から金利が高いと、35年の持ち出しも大きくなる。
- 投資用ローンで選べる金利の種類は、金融機関で違う場合がある。
- 金利の種類・見直しの時期・ルールの有無を書面で確かめる。
金利上昇を考えると、ワンルーム投資の持ち出しを受け入れてよい人・買わない方がよい人
| 受け入れを検討できる人 | 買わない方がよい人 |
|---|---|
| 金利が2%上がっても、持ち出しを家計から払える | 金利が1%上がると、持ち出しが家計の上限を超える |
| 金利の見直しのルールを書面で確かめた | ルールを販売会社の口頭の説明でしか聞いていない |
| 繰り上げ返済などに使える貯蓄がある | 貯蓄が少なく、増えた返済に対応できない |
金利上昇を考えて、今は買わない方がよいケース
| ケース | 理由 |
|---|---|
| 金利+1%で持ち出しが家計の上限を超える | 金利上昇で家計が苦しくなる |
| 「家賃も上がるから大丈夫」と説明された | 家賃は金利に合わせて上がるとは限らない |
| 金利の見直しのルールが分からない | 返済額がいつ・どれだけ増えるか分からない |
| 持ち出しが今の時点で月2万円を超える | 金利が上がると、さらに大きくなる |
上のケースに当てはまるなら、金利上昇を考えて、ワンルーム投資は今は買わない判断が合理的です。
特に、金利が1%上がっただけで持ち出しが家計の上限を超える場合は、35年の返済期間のどこかで金利が上がれば、家計が苦しくなる可能性があります。
「家賃も上がるから大丈夫」という説明は、家賃が金利と同じように上がる根拠を示していなければ、判断の材料にはなりません。
また、金利の見直しのルールが分からないまま契約すると、返済額がいつ、どれだけ増えるのかが分からず、備えようがありません。
金利の先行きは誰にも分かりません。
だからこそ、金利が上がった場合の持ち出しを先に計算し、それでも払えるかで判断することが大切です。
ポイント
- 金利+1%で家計の上限を超えるなら、見送りを検討する。
- 「家賃も上がるから大丈夫」は、根拠がなければ判断材料にならない。
- 金利の先行きではなく、上がっても払えるかで判断する。
金利上昇の影響と持ち出しを、別の会社にも見てもらう
| 相談できること | 手元の提案書をもとにした、収支シミュレーションと物件価格の確認 |
|---|---|
| 形式 | オンライン(Zoomなど)または対面。30分以上 |
| 費用 | 無料 |
| 注意点 | 面談先も不動産投資の事業者で、物件の紹介を受ける場合がある。年収の確認と融資の診断がある |
金利が上がった場合の持ち出しは、借入額や返済期間、ローンの条件によって変わるため、自分の提案に当てはめて計算することが大切です。
自分で計算するのが難しい場合は、提案している会社とは別の会社に、提案書を見てもらう方法があります。
ここで紹介する無料オンライン面談では、手元の提案書や物件資料をもとに、年収やライフプランに合わせた収支シミュレーションを作ってもらえます。
ただし、面談先も不動産投資の事業者であり、完全に中立な立場ではありません。
物件を紹介される場合もありますが、どの物件も買わないという判断をしてもかまいません。
面談では、金利が1%・2%上がった場合の持ち出しも出してもらい、この記事の表と見比べてください。
ポイント
- 金利が上がった場合の持ち出しを、別の会社の視点で確かめられる。
- 面談先も事業者で完全な中立ではない。買わない判断も自由。
- 申し込みには年収800万円以上などの条件がある。
変動金利の提案、契約する前に金利上昇の影響を確かめませんか
- 手元の提案書や物件資料をもとに相談できる
- 金利が上がった場合を含めた収支シミュレーションを確認できる
- オンラインで自宅から参加できる(無料)
【この記事の試算について】価格2,500万円・全額ローン(当初金利1.8%・35年・元利均等)、家賃90,000円、管理委託料5.5%、管理費7,000円、修繕積立金3,000円から16年目に8,375円(国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)の平均目安335円/㎡×25㎡)まで段階的に上昇、固定資産税など年6万円、家賃が毎年0.5%下落、4年に1回1か月の空室と原状回復・募集費15万円、12年目と24年目に設備交換25万円とした架空の試算です。金利上昇の試算では、6年目の初めに金利が上がり、その後は一定とし、返済額は上がった時点で残りの期間で計算し直しています(5年ルール・125%ルールは適用していません)。金利の数字はすべて仮定で、実際の金利や将来の予想ではありません。所得税・住民税の増減と、購入時の諸費用は含みません。